世界中で香りビジネスを展開している米国プロリテック社では、
バス亭などに設置する公共広告のフレームに小型の香り発生器(ディフューザー)を仕込み、
香りを散布することで広告効果を高めるというビジネスモデル特許を所有しているなど
「香りの出る広告」が今世界的に注目されつつあります。
この新たなマーケティング手法を使って、
ヨーロッパ各地の交通広告などで多くの実績を上げている。
日本国内においても、こうした広告と香りを連動させる試みが行われています。
街中ポスターに香りの演出
NTTコミュニケーションズでは、資生堂ほか4社の協力によって、
小田急線新宿駅西口に設置された「デジタル・ポスター」から香りを放つ、
「香り新宿駅プロジェクト」を実施致しました(2008年2月~3月)。
このデジタルポスターでは、
午前中に「バラ園」の広告とその関連フレグランスを噴霧し、
午後からは「らん園」の広告とその香りを噴霧している。
この広告を見た駅利用者の反応は、大変良好だったようで、
香りを使う事でPR効果が増す商品やサービスの広告であれば、
効果は高い期待が持てます。
化粧品や香水、トイレタリー、食品などでは、視覚、聴覚のみに訴える
一般的な広告よりもインパクトを与え、街中に出て、広告の前を通るたびに、
いろいろな良い香りがする・・・そう考えると、思わずその場に行ってみたいという気持ちをかき立てることが出来ます。
ダイレクトメールに香りの演出
欧米の企業では、顧客へ送付するダイレクトメール(DM)に、ブランドイメージを思わせる香りをつけているケースがあります。
販売している商品の香りであったり、店内で流している香りだったりしますが、
DMを受け取った顧客は開封した瞬間に、その商品や店のことを思い出す仕掛けが組まれています。
DMに香りをつけるには、いかに長時間持続させたりほかの紙・物に香りが付かないようにするなど
技術が必要になりますが、それを実現するいくつかの方法があります。
例えば、DMの用紙に直接香りを染み込ませたり、
また香りの成分をマイクロカプセルに閉じ込めこめて、
それを混入したインクを使って使って印刷する、あるいは封筒を接着する糊に混入するといった方法です。
香り付きのDMは、数あるダイレクトメールの中で
埋もれることなく、受取人の注意と興味を喚起し、PR効果を高めるのに有効。
さらに、雑誌や新聞の広告などでも、
マイクロカプセル化した香りのインクを使って、
化粧品などのニオイが嗅げるようにしているものもありその効果は期待が出来ます。
キャンドル・香水など香りグッズへの展開
印刷物に匂いを付着させる香りの演出をご紹介しましたが、
自社のオリジナルな<ブランド・セント>を開発すれば、
その香りを使って石鹸やアロマキャンドル、香水など、別の商品を展開することも可能です。
そうした商品が販売されれば、顧客は香りを通じて日常的に、そのブランドに親しむことになる。
コアなファンを獲得できると同時に、売り上げアップが期待でき、
イラストのイメージキャラクターなどの視覚的デザインを、
生活雑貨などに転用して関連商品を作るケースが多く見受けられますが、
オリジナルな香りが付いた商品となれば希少価値も高く、
生活の中で香りを楽しむ習慣が身に付いてきている今だからこそ、
限定販売されるプレミアな香りグッズはきっと顧客の心を掴めるのではないでしょうか。