空き巣はどう下見している?
特徴や注意点、対策法を解説
Sneak thief preview
空き巣はどのように下見をしているのか
空き巣は事前に下見を行い、周辺環境や家の忍びやすさなどをチェックしていると言われています。そして下見で「この家は忍び込みやすそうだ」「この家がねらい目だ」と思われると、後日犯行を行うことになる可能性がでてくるのです。
空き巣の下見の仕方①:周辺環境をチェックする
空き巣が下見で重要視しているのが、まずは周辺環境です。どんなに忍びやすい家があっても、その周辺地域で捕まるリスクが高ければ、空き巣には入りにくいもの。周辺の道路に防犯カメラがたくさんある場所では、犯行後に捕まる可能性が高くなってしまいます。またすぐに人混みに紛れられるような場所は、忍び込んだ後に逃げやすくなり、空き巣が好みやすい環境です。さらに、地域の密着が強く近所の人同士がよく助け合っているような地域や、近隣の住民同士が立ち話をしているような場所は、すぐに犯行がわかりやすく、空き巣しにくい場所となります。
空き巣にとって好都合の周辺環境の特徴としては、以下のような点が上げられます。
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人通りが少ない
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人目が少ない
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繁華街や大通り・駅など、人が多くいる場所に近い
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防犯カメラなどが少ない地域
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ごみが散乱している・放置自転車が多いなど、街全体が警戒がゆるく荒れた雰囲気
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留守にしている家が多い
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近隣住民同士のつながりが希薄
空き巣の下見の仕方②:家の忍びやすさ
街の周辺環境をチェックして、空き巣にとって良い街が見つかったら、次はどの家に入るかターゲットを探していきます。このときは家の忍びやすさを確認していきます。お金持ちそうな豪華な家ばかりを狙うと思われるかもしれませんが、空き巣にとって重要なことは「忍びやすく逃げやすいか」どうか。侵入してすぐに逃げられる家を数多くまわり、犯行を重ねていくのです。空き巣が「忍びやすく逃げやすい」と考える家は、留守宅で、道路や近所から見にくい家。高い塀や門扉があれば、一度中に侵入すれば周囲からは気づかれにくいため、好まれます。また玄関や窓の鍵がシンプルなタイプかどうかや、飼い犬がいないかといったこともチェックされます。
空き巣にとって忍びやすい家は次のような特徴があります。
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留守宅
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道路や近所から見にくい家
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物置など足場があり2階に忍びやすい
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玄関や窓の鍵がシンプル
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犬を飼っていない
空き巣の下見の仕方③:近所づきあい
周辺環境にも関連する話ですが、空き巣はその地域の近所づきあいについても気にします。下見や犯行のときに街をウロついていたら、近所の人が声をかけるような地域では、空き巣は犯行をあきらめやすくなります。しかし、近所づきあいが希薄な地域は、そのような心配が少なくなるので、空き巣にとって忍びやすく逃げやすい地域となります。
空き巣は下見で何をチェックするのか
空き巣が下見で周辺地域や忍びやすさを確認していることをご紹介しました。犯行のターゲットの家を決める上で、さらにその家の家族構成など、具体的に次のようなこともチェックしています。
空き巣のチェックポイント①:家族構成
家族構成を確認するのは、その家の住民がどのような生活サイクルを送っているか把握するため。小さい子どもがいる家や高齢者夫婦の家なら、日中に家族が家にいる可能性が高くなりますので、外出時を狙うといったことが考えられます。また子どもが学校に通い、親は共働きの家なら、日中は家が留守になることがわかります。さらに夜に家に明かりがついておらず、在宅していないことが多いと、例えば夜勤に勤務している人の家で、夜間が狙い目であることなども想定できるようになります。
空き巣のチェックポイント②:鍵
空き巣は窓などを割って入ると思われがちですが、犯行の半数近くは玄関から堂々と入ってくる場合が多いと言われています。そのため、玄関にどのような鍵が使われているか、空き巣は下見でチェックします。開錠が難しい複雑なタイプの鍵なら、鍵を開けるまでの時間がかかるため、犯行をあきらめるかもしれません。しかしシンプルなタイプの鍵ならすぐに侵入しやすいもの。また窓には、補助錠がついているかどうかといったことも確認します。
防犯対策
ホームセキュリティシステムに加入していたり、防犯カメラが設置されたり、防犯対策がしっかり行われている家は、侵入しにくいもの。また玄関や窓の鍵が複雑なタイプといった、防犯対策が厳しいかどうかも、下見で確認します。
注意するべきケース
caution
もし空き巣が自分の住んでいる地域を下見で訪れていたとしたら……。自分が空き巣被害に合ってしまうことも考えられます。そこで注意した方がいいケースについてご紹介しましょう。
普段見かけない人を何度も見かける
自分の住んでいる地域では、近くに住んでいる人の顔は覚えているものでしょう。そんな顔見知り以外で、普段は見かけない人を頻繁に目にするときは注意が必要かもしれません。空き巣が下見のために何度も家を訪れて、周辺地域やターゲットとなる家を探しに来ている可能性があるからです。
空き巣という名前を聞くと、いかにも怪しい服装や身なりをしている人と思われがちですが、空き巣はスーツ姿や普段着を着ていることもあります。スーツ姿でセールスマンを装ったり、なんらかの業者を装って作業服を着ていたりすることも考えられます。知らない顔であっても「なんだ、業者の人なのね」と思われれば、人の警戒心は解かれやすいもの。そんな人々の心理をついて、怪しまれにくい服装を着ている可能性がありますから、知らない顔の人を何度も見かけるようなことがあったら、空き巣が下見していることも頭に入れておいた方がいいでしょう。
見た目は怪しくなくても、繰り返し周辺エリアを歩いてまわっていたり、うろうろとしている人がいたりしたら、警戒しておいた方が安全かもしれません。
留守を確認する
空き巣は家が留守の時間を狙って侵入するものです。そのため、ターゲットの家がいくつか出てきたら、その家がいつの時間帯に留守になるか確認します。その確認方法は、インターホンを押すのが一般的。セールスマンや業者のふりをしてインターホンを鳴らし、中に人がいるかどうか確認します。もし家に人がいれば、本当のセールスマンや業者のように自然な会話をして、立ち去っていきます。インターホンで住民に顔を見られてしまいますが、そもそもセールスマンや業者を装っているので、住民がその顔から怪しむことは少ないもの。それにまだ何か犯行を行ったわけではないので、そこから捕まるようなことにはならないでしょう。
電話帳などからその家の電話番号を割り出すことができたら、何度か電話をかけて留守を確認する場合もあります。何度も不審な電話がかかってくることがあったら、それは危険な可能性もあります。
これ以外の方法に、家の電気がついているか、駐車していた車がなくなっていないかなどをチェックする方法もあります。また外から家をしばらく観察したり、窓に石を投げて反応がないかどうか確認するとった方法をとるケースもあります。
マーキングの痕跡がある
空き巣が下見を行って、そのときの情報を痕跡として残す場合があります。よくあるのが、表札や電気メーター、郵便受け、門扉まわりなどに書き込まれた数字やアルファベットなどの文字など。例えば「720」と書かれた場合は、「7時から20時は留守になる」という意味。「20SW」は「20代の独身女性の家」などの意味があります。マーキングでよく使われている例とそれぞれの意味は以下の通りです。
W:女性
S:独身
:ファミリー
学:学生
赤:赤ちゃんがいる家庭
SS:土日が休み
w720:平日の7時から20時は留守
〇:可能性がある
×:NGの家
△:もう一息の家
マーキングという存在がよく知られるようになってきたため、マーキングされる場所はさまざまなところに多様化してきていると言われています。例えば電気メーター裏や、配管の裏側など、住民がすぐには気づきにくい場所などに書かれていることもあります。
また、数字やアルファベット以外にシールが貼られていることもあります。シールは色に意味があり、黒いシールは男性などが暮らしている家で侵入が難しい場合。一方、白いシールは女性の一人暮らしや独身宅などで、侵入しやすい家。さらに黄色いシールは、もう一息で侵入できそうな家といった意味があると言われています。
空き巣から家を守るための対策法
では自宅を空き巣から守るためには、どのような対策を行えばいいでしょうか。空き巣を自宅に侵入させないためには、下見などできた空き巣に「侵入はしない方がいい」と思わせることが大切です。
空き巣からの対策法①:留守とわからないようにする
家を留守にする時間が長いと、それだけ空き巣の被害を受けるリスクも高まります。夜の帰宅が遅い人は、自宅の玄関やリビングの明かりをタイマーで自動的につくようにしておくのがおすすめ。こうすると家の中に誰かがいるように見えます。また、郵便ポストにチラシや新聞をためこむことはせず、もし長期で自宅をあけることになったら新聞の配達はストップしてもらうよう対応しましょう。郵便ポストに「チラシお断り」のテープをつけて、普段からチラシがたくさん入ったままの状態にならないようにすることもいいでしょう。
空き巣からの対策法②:ダブルロックを設置する
ダブルロックとは、ひとつの扉に2つの鍵をつけること。空き巣は玄関の鍵を専門の工具を使ってピッキングして開錠して侵入することが多いです。そしてピッキングにかかる時間はごくわずかです。しかし鍵が2つあれば、ピッキングにかかる時間も2倍となります。ピッキングの作業を行っているところを近所の人などに見られてしまってはまずいため、できるだけ短時間で作業を行いたいものです。そのため、鍵が2つあることがわかった時点で、空き巣犯はその家の侵入をあきらめる可能性が高くなるのです。ダブルロックには、空き巣犯の心理的に「この家の侵入はやめておこう」と思わせる効果があるのです。
空き巣からの対策法③:防犯カメラを設置する
空き巣はさまざまな防犯対策を施された家は敬遠します。例えば、防犯カメラやセンサーライト、防犯アラーム、防犯フィルムなど。このような防犯グッズを使っている家は、「防犯意識が高い」と思われて、空き巣は侵入をあきらめる可能性が高くなります。防犯カメラは犯人の顔が写って捕まる可能性も出てくるので、空き巣は嫌がるものです。このような防犯対策を行っておくと、空き巣を寄せつけにくい家になります。
空き巣に「侵入をあきらめさせる家」を目指そう
空き巣が下見をしたとき、「この家は侵入しない方がいい」「入ったらリスクが高い」と思わせることが大切です。周辺地域の環境など、一人の努力ではコントロールできないこともありますが、各種の防犯対策を行うことで家を守ることはできます。空き巣の心理をついて、「入りたくない家」を目指していきましょう。
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