空き巣被害に遭わないためには?
侵入の時間帯・手口・経路などを解説
Sneak thief countermeasures
空き巣の被害の実態とは?
まずは、日本で空き巣被害がどれくらい発生しているのか、空き巣の被害に遭いやすい時間帯・時期、侵入経路、手口などを解説します。
昨今の空き巣の被害件数
まずは、昨今の空き巣被害の年間件数を見ていきましょう。
警察庁によると、令和2年の侵入窃盗認知件数は、4万4,093件。うち住宅対象侵入窃盗件数は2万1,030件でした。1日あたりで換算すると、約58件発生している状況です。侵入窃盗件数は、平成15年から減少傾向にあり、18年連続で件数自体は減っています。
侵入窃盗被害が減少している要因には、防犯カメラやセキュリティ機器の発達、普及によるものでしょう。とはいえ、侵入窃盗被害はまったくなくなっているわけではなく、今日もどこかで発生しています。
空き巣の被害に遭いやすい時間帯・時期
実は、空き巣の被害に遭いやすい時間帯や時期というのがわかっています。どの時間帯や時期が狙われやすいのかをチェックしましょう。
-
空き巣の被害に遭いやすい時間帯
統計によると、空き巣の被害に遭った時間帯は、10時~16時が1番多いことがわかりました。なかでも10時~12時が多い時間帯なのだそうです。この時間帯は、住人全員が仕事や学校、買い物などで外出して留守にすることから、発生率が多いことが考えられます。また、これらの時間帯は日中ですから、住宅地をうろうろしていても怪しまれることありません。それも要因のひとつでしょう。
-
空き巣の被害に遭いやすい時期
空き巣の被害に遭いやすい時期は、秋や年末年始という統計データがあります。秋が空き巣被害に遭いやすい理由は、行楽シーズンだからです。祝日も多く、家族全員で日帰り旅行や遠出する機会が増えることが要因でしょう。また、季節的に過ごしやすくなることから、窓を開けたままにすることが増えます。それも、要因のひとつとして考えられます。
空き巣被害が増える時期は、年末年始もあります。その理由は、年末年始のイベントのためや、年末年始は銀行ATMの利用が制限されることから、いつもよりも多く現金が家に置いてあるからです。よって、空き巣犯は年末年始のイベントがある前後を狙って犯行におよびます。
空き巣の侵入手口
空き巣はどのように家に侵入するのか、その手口にはさまざまです。警察庁が発表した 「令和元年の刑法犯に関する統計資料」に基づき、侵入手口の多い順にご紹介します。
-
ガラス破り
1番多いのが、ガラス破りです。ガラスの破り方には、次のような方法があります。
・打ち破り:中型バールやハンマー、レンガなどでガラスを叩きつけて破壊する侵入方法。
・こじ破り:ドライバーを使い、引き違い窓の錠前部分をサッシのガラス溝に差し込んでこじ開ける方法。
・焼き破り:ガラスをライターなどで焼き、すぐに水をかけて急激な温度変化によって窓にヒビを入れる方法。 -
無締まり(鍵がかかっていない)
鍵をかけ忘れた玄関ドアや窓から、侵入する「無締まり」。ゴミ捨てや近所へのちょっとした買い物など、短時間の外出の際を狙って、空き巣が侵入することがあります。2階や3階以上の高層階でも油断禁物です。これらの階は、窓の鍵を閉め忘れることが多く、侵入経路となってしまいます。
-
施錠開け
鍵がかかっているドアや窓の鍵を開けて、侵入する方法が「施錠開け」です。施錠開けには種類があり、特殊な工具を鍵穴に差し込んで鍵を開ける「ピッキング」と、サムターン(部屋側に付いている回転式の金具のつまみ)を長い針金状の工具などを使って直接回し、解錠する「サムターン回し」があります。
-
下がり蜘蛛
「下がり蜘蛛」とは、2階以上の高層階に住む場所への侵入手口です。屋上からロープを張り、ロープを降りてベランダなどから侵入します。高層階であっても、油断大敵です。
空き巣の侵入経路口
空き巣はどこから侵入してくるのでしょうか。侵入経路で1番多いのは、窓です。狙われやすい窓に共通する特徴をご紹介しましょう。
-
ガラス窓
1ガラスの窓は割って侵入しやすいという特徴があります。これは、強化ガラスや網入りガラス、複層ガラスであってもです。また、ガラス窓なら場所を問わず、空き巣に狙われやすくなってしまいます。
-
トイレ・風呂場・勝手口の窓
トイレや風呂場、勝手口の窓は、換気をするために開けておくことがよくあり、施錠することを忘れがちです。これらの窓は小さいことが多く、「鍵をかけなくても大丈夫だろう」という油断しているところを空き巣犯はついてきます。頭と片側の肩までの空間があれば、小さな窓でも侵入することができるので、注意が必要です。
-
施格子のついた窓
一戸建てでもマンションでも、アルミ製の格子がついた窓はよくあります。格子がついていれば、空き巣犯が侵入できないから安心する人は多いかもしれません。しかし、この格子部分は、ドライバー1本で外から簡単に外せるようになっています。また、1本1本を素手でもぎ取ることができることもあり、油断できません。これらのことから、空き巣犯は、格子のついた窓をターゲットにすることも多いのです。
-
ベランダの窓
低層階にあるベランダの窓も侵入経路となります。空き巣犯は、周囲の建物、物置、電信柱、塀などをよじのぼってベランダへ行き、家や部屋のなかに入ってくるのです。また、高層マンションの最上階であっても、屋上からロープを使ってベランダにおりて侵入することもあります。
窓以外にも、玄関や勝手口などの一般的な出入り口も侵入経路となります。
空き巣の被害に遭った時の対処法
もし、空き巣の被害に遭った場合、どのような対処法をすればよいのでしょうか。事前に確認しておきましょう。
空警察に連絡する
空き巣被害に気づいたら、まずは家の外の人通りの多いところや、明るい場所などの安全な場所に避難しましょう。そうしないと、家の中にいるかもしれない空き巣犯と鉢合わせしてしまうかもしれないからです。それから、警察に連絡を入れましょう。
警察に連絡すると、多くの場合は以下のことを聞かれます。
-
住所
-
氏名
-
連絡先
-
いつ、どこで、何があったのか
-
犯人を見たか
-
今の状況か
冷静に、落ち着いて情報を伝えるようにしてください。
警察が到着するまで、現場はそのままにしておくことも大切です。警察が来たら、現場検証が行われます。指示に従い、質問にもしっかり答えましょう。その後、被害届を出します。手続きに必要な盗難届出証明書か受理番号を警察に交付してもらってください。
現場検証が終わった後は、二次被害を防ぐために紛失届の手続きなどをすみやかに行います。盗まれたもの別の手続きすべき機関は次のとおりです。
-
通帳、キャッシュカード→銀行、金融機関
-
クレジットカード→クレジットカード会社
-
印鑑→銀行印は銀行、実印は市区町村の役所
-
スマートフォン、携帯電話→契約している通信会社
-
保険証→加入している組合
-
パスポート→各都道府県のパスポート申請窓口
-
免許→各都道府県の免許センター
保険会社に連絡する
次に、補償の手続きを行います。加入している保険を確認してみてください。盗難保険はもちろん補償されますが、火災保険でも契約内容によっては補償の対象になっているかもしれません。わからなければ、保険会社に問い合わせてもよいでしょう。契約内容によっては、室内の損傷も保険が適用されて修理できるケースもあります。
入居者への対応
あなたが大家さんで、入居者の部屋に空き巣が入った場合は、すみやかに入居者に話を聞き、室内が損傷していないか確認を行いましょう。損傷があった場合には、保険の適用を受けて修理できるかどうか、契約内容を確認、もしくは保険会社に問い合わせをしてください。
また、鍵の交換を入居者からお願いされるかもしれません。この場合、負担するのは必ずしも大家ではないということを知っておきましょう。鍵の交換で、大家負担となるのは、基本的に入居する人が入れ替わるときだけです。双方話し合いの上で、実際にどちらが負担するか決めることをおすすめします。
空き巣の被害に遭いやすい家とは?
空き巣の被害に遭いやすい家には、特徴があります。自分の家が被害に遭いやすい家に該当していないか、チェックしてみてください。
空き巣の被害に遭いやすい家の周辺環境
空き巣が狙う周辺環境には、次のような共通点があります。
-
街灯がなく暗い
街灯がなく、薄暗い場所も空き巣の格好の餌食となります。暗い場所なら、犯行に気づかれたとしても、すぐに暗闇に隠れることができるためです。
-
盛り場近くの住宅街
空き巣は、人通りが少ない場所を選ぶことが多い反面、賑やかな盛り場が近くにある住宅地を狙うこともあります。これは、犯行後に人混みに紛れることがあり、逃げやすいためです。
-
留守宅が多い住宅地
共働きで、日中家に人がいない留守宅が多い住宅地は、空き巣に入るのには好都合な場所です。隣家の人目を気にすることなく、侵入されてしまうので対策をとりましょう。
空き巣の被害に遭いやすい家の特徴
空き巣に狙われやすい家は「人目につきにくい」「家に侵入しやすい」「逃げやすい」という特徴があります。
-
高い塀・植栽に囲まれた家
家や建物が高い塀に囲まれていたり、庭の植木や草が生い茂っていると、空き巣に狙われやすくなります。これらの場所では、隠れて侵入しやすく、外部の人からも見通しが悪いためです。とくにドアや窓の近くに植栽があると、家の中からも見えづらいので注意が必要です。
-
単身者専用のオートロック付きマンション
単身者の家は、隣近所の交流も少なく、家を空けている時間が長いことから、空き巣のターゲットになりやすいでしょう。また、オートロック付きマンションでは、「オートロックがあるから大丈夫」という安心感から、玄関や窓の鍵の閉め忘れが多く、そこを狙って侵入するケースも少なくありません。
-
外階段がある集合住宅
外階段があるアパートやマンションも、狙われやすい傾向にあります。なぜなら、外から居住者が外出したことが確認しやすいためです。とくに、築年数の古いアパートや賃貸マンションは、防犯カメラやオートロックなどの防犯設備、セキュリティが備わっておらず、空き巣犯の格好の餌食となってしまいます。
-
集合住宅の低層階
実は、集合住宅の2階や3階も空き巣被害に遭いやすい家です。2階以上で高さがあるため、「空き巣犯は侵入できないだろう」と玄関や窓の施錠が甘くなる傾向があります。しかし、特に2、3階程度の高さなら、隣の建物や塀、電柱などから侵入できるため、狙われやすくなってしまいます。
マンションで空き巣の被害に遭わないためにやるべき対策
Sneak thief
空き巣被害に遭わないためには、事前に対策をとっておく必要があります。ここでは、マンションでの対策方法をご紹介します。
防犯設備でセキュリティレベルを上げる
防犯設備が手薄なら、導入しましょう。防犯設備には、犯罪抑制効果もある「防犯カメラ」や、空き巣や忍び込みなどの侵入を防ぐ「防犯シャッター」、ピッキングに強い「ディンプルキー」などがあります。
これらを複数組み合わせることで、セキュリティレベルが上がります。
入居者に空き巣への注意喚起を促す
空き巣対策として1番重要なのは、施錠です。空き巣で多いのは無施錠のドアや窓からの侵入ですので、玄関、窓の鍵をかけておけば、ある程度は防げます。しかし、2階以上に住む入居者は、高い場所から侵入できないだろうと、施錠が手薄になりがちです。入居者全員に施錠を徹底することをしっかり呼びかけてください。
また、ポストに郵便物が溜まっていると、長期間留守にしていることを空き巣犯にわからせてしまいます。郵便物を溜めないように注意喚起をすることも大切です。
管理人の常駐・警備員などによる巡回を行う
管理人を常駐させることや、警備員の巡回も検討しましょう。これらは空き巣対策としてかなり有効です。毎日が難しいようなら、週2、3日から。管理人や警備員を雇うのが厳しいようなら、大家自身が見回りするようにしてください。それだけでも効果があります。
空き巣被害に遭わないために対策を
空き巣の手口や侵入経路、空き巣に遭いやすい家の特徴などをご紹介しました。空き巣被害はいつ遭うかはわかりません。「自分は大丈夫」と思わず、施錠をしっかりし、できる限り空き巣対策をしておきましょう。
警備コラムの
関連記事
Column Connection
警備コラムの
新着記事
Column New
警備コラムの
人気記事
Column Popular
セプラ株式会社の
その他のサービス
Other Service
-
施設警備
入退出管理・施錠管理・手荷物検査・不審者管理などを行います。
View More
対象施設はマンション・学校・商業施設・病院・工場・介護施設・物流センターなどになります。 -
常駐警備
受付業務・入退出管理・手荷物検査・不審者管理・監視業務などを行います。
View More
対象施設はビル・マンション・学校・商業施設・病院・介護施設などになります。 -
臨時・巡回警備
見張り業務・深夜巡回・不審者発見・施錠管理・火元確認などを行います。
View More
対象施設や案件内容は様々であり、幅広く対応致します。 -
空き家の管理・防犯
外観点検、庭木、雑草の確認、除草、ポスト確認、施錠確認、管理ステッカー設置などを行います。
View More
対象は空き家、長期不在になっている家屋などになります。