ビルメンの仕事に必要な資格とは?

ビルメンテナンスの仕事をする上で必要となる資格が多数あります。
一言でビルメンテナンスと言ってもその業務は様々で、その全てを網羅することは難しく、
ビルメンテナンス業務全てを自社で行う会社は全国的にもかなり少ないのではないでしょうか。

その理由は、ビルを管理する上では、まったく分野の異なる様々な業務が発生し、
その全てにおける知識や技術を一つの会社や個人が習得することが難しいためです。
その為、複数の専門技術を持った会社が協力して一つのビルを管理、メンテナンスしています。

ビルの管理、メンテナンスを行うには大きく分けて次のような業務が発生し、
その知識と技術が必要となります。

ビルメンテナンスの業務

電気設備

受変電設備(キュービクル)の点検メンテナンスなど

給排水設備

貯水タンクや送水用ポンプ、排水槽、排水ポンプの点検、メンテナンスなど

昇降設備

エレベーターやエスカレータの点検、メンテナンス、など

消防設備

火災報知機やスプリンクラー、消火器、消火栓の点検、メンテナンスなど

清掃、衛生管理

日常清掃や、数カ月に1度の定期清掃、空気環境測定、貯水槽清掃など

空調設備

エアコンや吸排気機器の点検、メンテナンス

上記の業務はそれぞれに複数の資格があり、どのようなの業務を行うかで取得すべき資格が異なります。
また、資格には級や甲乙などの段階があり、それによって行える業務に制限があります。

清掃、衛生管理に必要な資格

ここでは、ビルメンテナンス業務の中では比較的資格が取得しやすく、資格の種類も豊富な清掃、衛生管理の資格について解説したいと思います。
ビルの管理には絶対に欠かせない清掃業務。日頃利用しているビルがいつもキレイに衛生管理がしっかりされているのには、必ずビルメンテナンス会社の存在があります。
日常清掃の業務や定期清掃業務は特に資格を保有していなくても従事することが可能です。
しかし清掃業務にも資格を取得しないと行えない業務がたくさんあります。就職や転職に便利な資格や今後の昇給やスキルアップにお勧めの資格を紹介致します。

ビルメン(清掃衛生管理)に有効な資格7選

1.ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)

ビル管理士の正式名称は「建築物環境衛生管理技術者」といいます。
3,000平方メートル以上 (学校施設の場合は8,000平方メートル以上)の施設を管理する際に必ず必要とされている資格です。
この資格を取得する際は、次の用途において供される建築物の当該用途部分において環境衛生上の維持管理に関する実務に、業として2年以上従事しなければなりません。
(従事期間については、実務従事証明書の証明日現在で2年以上が必要です。)

建物の用途

ア)興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、遊技場(ボーリング場等)

イ)店舗、事務所

ウ)学校(研修所を含む。)

エ)旅館、ホテル

オ)その他アからエまでの用途に類する用途多数の者の使用、利用に供される用途であって、かつ、衛生的環境もアからエまでの用途におけるそれと類似しているとみられるものをいいます。

※建築物における環境衛生上の維持管理に関する実務とは?

①空気調和設備管理

②給水、給湯設備管理 (貯水槽の維持管理を含む。浄水場の維持管理業務を除く。)

③排水設備管理 (浄化槽の維持管理を含む。下水処理場の維持管理業務を除く。)

④ボイラ設備管理

⑤電気設備管理 (電気事業の変電、配電等のみの業務を除く。)

⑥清掃及び廃棄物処理

⑦ねずみ、昆虫等の防除

ビル管理士の資格試験は年に1回行われており、受験費用は¥14,000程です。しかし合格率は20%~30%とかなり難しい資格ではあります。 受験者は毎年約1万人で、ビルや施設などの管理の仕事に携わるが多く受験しています。 ビルメンテナンスの仕事で活躍していきたいのであれば、是非取得したい資格だと言えるでしょう。 その他受験に関する詳しい情報は、公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターHPでご確認ください。

2.ビルクリーニング技能士

ビルクリーニング技能検定は、ビルにおける環境衛生維持管理業務のうち、ビルの所有者から委託を受けて行うビルクリーニング作業について必要な技能を評価するものです。
昭和57年5月職業能力促進法(旧・職業訓練法)に基づき、技能検定の職種としてビルクリーニング(単一等級)が加えられ、国家検定として認められました。
また、平成28年度からは、単一等級から複数等級(1級・2級・3級・基礎級)試験として実施しており、すべての等級において、ビルクリーニング技能検定の合格者には、合格証書が交付され、技能士の称号が与えられます。
その中でも、1級ビルクリーニング技能士は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:建築物衛生法)」の事業登録に必要な人的要件の一つである清掃作業監督者になるための必要資格になっています。

ビルクリーニング技能士の資格を取得することで国家検定資格者として自らのキャリアステージを向上することができます。その為、就職や転職の際は必ず有利になるでしょう!
企業としても顧客に対し、有資格者が在籍していることで事業内容・業務品質等をPRすることができるでしょう。
また従業員に対し、人材育成の取り組みをPRすることもできます。
その他受験に関する詳しい情報は、公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HPでご確認ください。

3.清掃作業監督者

清掃作業監督者とは、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第25条第2号イの規定により、建築物清掃業の登録の人的要件である清掃作業の監督を行う者のこと。建築物清掃業の知事登録に欠かせない必置資格となっています。
ビルの衛生管理に精通していなければならないので、受験資格として、「ビルクリーニング技能士」または「建築物環境衛生管理技術者」の国家資格が必要となります。
2日間で計15時間程の講習を受け最後に試験があります。受講に必要な費用は¥35,000程となっております。
その他受験に関する詳しい情報は、公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターHPでご確認ください。

4.病院清掃受託責任者

医療法施行規則第9条の15第1号により、病院が清掃を外部に業務委託する際、受託業務場所に受託業務の責任者として「受託責任者」を配置することとされています。
病院清掃受託責任者の資格は、この医療法施行規則が求める「受託責任者の病院清掃に関する知識」を証明する資格です。
この講習は、厚生省健康政策局長通知(健政発98号)第3の9(2)ア、及び認定基準3.(2)①に定める受託責任者の有すべき知識として、①医療機関の社会的役割と組織、②医療関係法規、建築物における衛生的環境の確保に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の関係法規及び労働関係法規、③作業計画の作成、④作業の方法、⑤作業の点検及び業務の評価、⑥清潔区域等医療施設の特性に関する事項、⑦感染の予防、⑧個人情報の保護を含むカリキュラムで行われます。
受講資格は『厚生省健康政策局長通知(健政発98号)第3の9(2)ア、』及び『認定基準3.(2)②』に基づき、医療機関の清掃業務を含む清掃業務に3年以上の経験を有する者となります。資格の有効期限は4年間です。 講習受講後4年が経過する方は、再講習の受講が必要です。受講費用は¥40,000程となります。
顧客に医療関係の施設が多い会社や、そのような会社に就職する方には必要な資格となります。
その他受験に関する詳しい情報は、公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HPでご確認ください。

5.排水管清掃作業監督者

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第28条の3第4号イの規定により、建築物排水管清掃業の登録の人的要件である排水管の清掃作業の監督を行う者(主にビルや建築物における排水管の清掃作業を行う者、またはそれを監督する責任者です。) 受講資格は以下のいずれかに該当する者となります。

1. 学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく高等学校若しくは中等教育学校又は旧中等学校令(昭和18年勅令36号)に基づく中等学校を卒業した後、2年以上建築物における排水管の清掃に関する実務に従事した経験者

2. 5年以上建築物における排水管の清掃に関する実務に従事した経験者

3. 1.と同等以上の学歴及び実務の経験を有すると認められる者

※上記実務に従事した経験とは、正社員としての実務であり、 アルバイト、パート等は含まれません。
※中等教育学校とは、中等普通教育(中学校)並びに高等普通教育及び専門教育(高等学校)を一貫して施す修業年限6年の学校です。(学校教育法第51条の2)

4日間、計27.5時間の講習を受け最後に試験があります。受講費用は¥45,000程となります。
その他受験に関する詳しい情報は、公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターHPでご確認ください。

6.貯水槽清掃作業監督者

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第28条第4号イの規定により、建築物飲料水貯水槽清掃業の登録の人的要件である飲料水の貯水槽の清掃作業の監督を行う者(貯水槽の清掃、管理、監督をおこなう上で必要な知識を持つ人にあたえられる資格)
受講資格は次の1~3のいずれかに該当する方となります。

1. 学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく高等学校若しくは中等教育学校又は旧中等学校令(昭和18年勅令36号)に基づく中等学校を卒業した後、2年以上建築物の貯水槽の清掃に関する実務に従事した経験を有する者

2. 5年以上建築物の貯水槽の清掃に関する実務に従事した経験を有する者

3. 1.と同等以上の学歴及び実務の経験を有すると認められる者

※上記実務に従事した経験とは、正社員としての実務であり、 アルバイト・パート等は含まれません。
※中等教育学校とは、中等普通教育(中学校)並びに高等普通教育及び専門教育(高等学校)を一貫して施す修業年限6年の学校です。(学校教育法第51条の2)

4日間、計29.5時間の講習を受け最後に試験があります。受講費用は¥52,000程となります。
その他受験に関する詳しい情報は、公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターHPでご確認ください。

7.ハウスクリーニング技能士

ハウスクリーニング技能士とは、国家資格である技能検定制度の一種で、職業能力開発促進法第47条第1項による指定試験機関が実施するハウスクリーニングに関する学科及び実技試験に合格した者をいう。
公益社団法人ハウスクリーニング協会が実施している検定試験で、平成22年12月にはハウスクリーニングが新たに検定職種として追加され、ハウスクリーニングに従事する人々の技能が国家検定として認められるようになりました。
ハウスクリーニングの仕事は資格がなくてもできます。 しかし、資格があることで知識が増えて、より信頼度の高い仕事がすることができます。
就職や開業、フランチャイズ加盟をする時に信用が増すため役立ちます。
受講資格は、実務経験年数が3年以上。実務経験者とは、パートアルバイトを含めて一週で24時間以上勤務する者をさします。

試験内容は実技試験

レンジフード洗浄

試験標準時間25分・打切時間28分

ダイニングチェアクリーニング

試験標準時間10分・打切時間13分

ステンレスの油汚れ落とし

試験標準時間10分・打切時間13分

五徳の汚れ落とし

試験標準時間10分・打切時間13分

ビニルクロスの汚れ落とし

試験標準時間8分・打切時間11分

磁器タイルの汚れ落とし

試験標準時間8分・打切時間11分

フローリング床のキズ補修

試験標準時間10分・打切時間13分

学科試験五肢択一 50問(マークシート方式・60分)
受験費用は実技試験、学科試験の合計で¥40,000程です。
その他受験に関する詳しい情報は公益社団法人 全国ハウスクリーニング協会HPでご確認ください。

ビルメンに関する資格を取得したい方へ

ビルメンテナンス(清掃、衛生管理)に関わる資格だけでもたくさんの資格があります。
全く知識や技術がない状況で資格を取得することは難しいでしょう。
そこでこれからビルメンテナンスで開業したいという方や、今後ビルメンテナンスの業界へ転職をお考えの方は是非、一般社団法人日本ビルメンテナンスアカデミーHPをご覧ください。

一般社団法人日本ビルメンテナンスアカデミーでは、ビルメンテナンスに関する法律や知識に関する学科研修や実際にビルメンテナンスの現場で使用される機材を使用した実技研修を受けることができます。 講師陣は全員が実際のビルメンテナンスの現場で10年以上経験を積んできたスペシャリストです。 研修内容は、資格取得に必要な知識や技術の向上を目的に形成されておりますので、今後ビルメンテナンスの資格取得を目指す方はまず日本ビルメンテナンスアカデミーの研修にご参加ください!

アカデミーの卒業生にはビルメンテナンスの仕事で開業し成功されている方や、清掃業のフランチャイズ加盟店として活躍されている方がたくさんいらっしゃいます。
そのような先輩たちとのコミュニケーションの場もあり、先輩たちの経験談を聞くことができます。

すでにビルメンテナンス業として開業されている方々もたくさん研修に参加されております。
今はハウスクリーニングだけしかできないが、今後は貯水槽清掃や業務用のエアコン分解清掃などの技術を身に着け仕事の幅を広げたいという方や、新入社員の方たちの研修として利用したいという企業様など様々な方が参加されております。
詳しくは一般社団法人日本ビルメンテナンスアカデミーHPをご覧ください。

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