家事代行って危険?よくあるトラブルや対処方法、業者の選び方を解説
目次
家事代行を利用するのは危険?
家事代行とは、依頼者の家に訪問し、日常的な家事を代わりにおこなうサービスです。時間的や体力的な余裕がない場合には、非常に利便性の高いサービスである反面、他人を家に入れるため「家具や家電などが壊される」「貴重品の紛失・盗難」「依頼した家事ができていない」などのリスクも否めません。そこで、今回の記事では、家事代行の概要やトラブルなどを学び、サービスの利用が危険か否かを分かりやすく解説していきます。
家事代行とは
家事代行は、依頼者の自宅へ家事専門のスタッフが定期的や一時的に訪問し、日常生活を営むために必要な業務を依頼者のニーズに合わせ、代わりにおこなうものです。具体的には、料理・掃除・洗濯をはじめ、草花の水やりや草むしり、整理整頓、買い物、ゴミ捨て、荷物の受け渡し、ペットの世話など多岐にわたります。おもな依頼者は、単身者や高齢者、妊娠中・育児中の母親、事故やケガで体調の悪い人などです。利用料金は1時間当たりスタッフ1人につき2,000円~3,000円ほど、利用時間はサービス1回当たりにつき2時間~3時間程度が一般的となっています。
家事代行でよくあるトラブル
日常に欠かせない家事を依頼者の代わりにおこなう家事代行なのですが、サービスの特性上、トラブルが起こる可能性も否めません。具体的には、どのような問題が起こっているのでしょうか?ここからは、家事代行の依頼時によくあるトラブルを見ていきましょう。
トラブル① 料金
家事代行を依頼した際、最も厄介なトラブルが料金の問題になります。これは、料金に対する依頼者側と業者側、双方の認識違いや確認不足が、トラブルの大きな原因となっているようです。一般的に、家事代行の利用料金は、スタッフ1人あたり1時間2,000円~3,000円ほどといわれていますが、これも業者によって料金形態が異なります。また、複数の料金プランや各種オプションをはじめ、最低依頼時間や延長料金、スタッフの指名料や交通費、鍵の預かり費用やキャンセル料金など、費用の内訳もさまざまです。そのため、事前にしっかりと料金を確認しておかなければ、思っていた以上の金額を請求されて驚かされることもあります。
トラブル② 依頼した家事ができていない
「掃除が中途半端で終わっている」「大雑把で丁寧さがない」など、依頼した家事が思うようにできていないケースも、家事代行でよくあるトラブルのひとつです。こうしたトラブルは「スタッフが仕事をしていない」「スキル不足」といった理由以上に「業務量に対して時間が足りなかった」「家事の優先順位を伝えきれていない」などが大きな原因として挙げられています。これは、事前に依頼者が明確な要望を出しておらず、業者側も適切なヒアリングや料金プランの提案をしていないといった双方の意思疎通に問題があったためです。
トラブル③ サービスの品質
業者が依頼者に提供するサービスの品質も、トラブルの原因になりがちです。基本的に依頼者の家へ派遣されるスタッフは、所属する業者指導のもと、家事業務に関するさまざまな研修や教育を受けています。これは、実際に家事を代行するスタッフの技術力を均一に保つためです。しかし、サービスを施すスタッフの品質を一律に保つことは容易ではありません。スタッフの中には、一時的・短期的に勤務しているアルバイトやパートも数多くいることから、どうしてもサービスの品質にバラつきが出てしまいます。このような依頼ごとに変わる品質の違いが依頼者の不満につながり、トラブルの原因となってしまうのです。
トラブル④ スタッフとの相性
依頼者とスタッフも人間である以上、やはり相性があります。この相性の良し悪しがトラブルに発展するケースも少なくありません。たとえば、几帳面な依頼者と大雑把なスタッフでは、家事のやり方や進め方、仕上がり具合などに大きな食い違いが生じるでしょう。また、依頼者側からすれば「愛想が悪くて話しづらい」「押し付けやこだわりが強い」「おしゃべりが多い」といったスタッフが相手では、不満や不信感といったストレスの原因になってしまいます。この相性の問題が引き金となり、家事代行における代表的なトラブルとつながってしまうのです。
トラブル⑤ 配置の無断変更
家事代行を依頼した際、家にある家電や道具、小物類などの配置がスタッフの独断により、無断で変更されていることがあります。この配置の無断変更は、家事代行における最も多いトラブルのひとつです。スタッフからすれば「依頼者のために良かれ」と思っておこなった作業(整理整頓)でも、家主である依頼者からすれば「いつもの場所にある物がない」ことから戸惑ってしまいます。探す手間暇や配置を戻す時間にストレスを感じ、状況次第では、スタッフの紛失・盗難を疑うことも珍しくありません。
トラブル⑥ 破損や故障
故意ではないとはいえ、家事業務の最中にスタッフが室内や家財具を傷つけたり、壊してしまう可能性があります。代表的な例としては「掃除中に家の床や壁を傷つける」「食器や花瓶を割ってしまう」「片付けの際に家具を破損させる」などです。また、骨とう品や絵画、美術品の破損、依頼主に借りていた掃除機やモップ、食洗器などの故障も、家事代行でよくあるトラブルに挙げられます。どれだけ細心の注意を払っていても、人が作業をしている以上、予期せぬ破損や故障のリスクがゼロになることはありません。そのため、金銭が絡むようなトラブルに発展してしまいます。
トラブル⑦ 紛失・盗難
どれだけ良質なサービスを提供する業者であっても、他人を家に入れる家事代行では、物品の紛失や盗難に関するリスクが否めません。たとえば、家事業務に従事していたスタッフが「間違って処分した」「分かりづらい場所に収納した」などの原因により、物品の紛失トラブルが発生してしまいます。依頼者の捉え方や状況次第では、盗難を疑われる事態へと発展するでしょう。また、実際にスタッフの盗難によるトラブルが起こっています。具体的には、文房具や食料品などの持ち出しやすいものにはじまり、貴金属や高級家具、現金やカード類などが被害にあっているようです。特に、不在時の家事代行を依頼する場合、盗難のリスクが上がってしまいます。
家事代行の利用時にトラブルが起きたときの対処方法
家事代行は、他人を家に入れるという特性上、さまざまな問題が想定されます。万が一トラブルが起こった場合、どのような行動が好ましいのでしょうか?ここからは、家事代行の利用時に発生したトラブルの具体的な対処方法を解説します。
方法① 家事代行業者に連絡
家事代行の利用時にトラブルが起きた場合、まずは、契約を結んでいる家事代行業者へ連絡を入れましょう。ポイントは、トラブルの発生日時と内容を正確に伝えることです。この際、家事代行に対する不満や不信感から感情的になりがちですが、冷静に事実のみを客観的に話すようにしてください。破損や盗難によるトラブルに対しては、できるだけ証拠となる写真や動画を撮影しておくことをおすすめします。
方法② 業者との交渉
発生したトラブルの解決に向け、家事代行業者と交渉をおこなってください。希望する具体的な解決手段を業者に伝え、話し合いを進めることです。サービス内容の品質改善やスタッフの変更、破損・紛失・盗難など、締結した契約書を準備しておけば、損害保証の範囲内か否かを確認することが容易であるため、交渉が比較的スムーズに進むでしょう。また、契約の内容によっては、クーリングオフ制度を利用できる場合があります。
方法③ 消費生活センターに相談
家事代行業者とのトラブルが解決しない場合、消費生活センターに相談しましょう。消費者生活センターとは、事業者に対する消費者の苦情や相談を受け付ける自治体運営の行政機関です。近年家事代行に関するトラブルの件数も増加していることから、適切なアドバイスや情報提供などをおこなってくれます。また、必要に応じて業者と消費者の間に入る「あっせん」もおこなうため、問題解決がスムーズに進むはずです。
家事代行のトラブルを防ぐための対策
数々のリスクが挙げられる家事代行なのですが、上手く利用すれば、非常に便利なサービスでもあります。想定できるトラブルを回避するためにも、事前の心構えや準備が必要です。ここからは、家事代行におけるトラブルを防ぐために講じるべき対策を解説します。
対策① サービス内容や料金を確認する
家事代行を利用する場合、契約前のサービス内容や料金の確認が必須です。サービス内容に関しては、依頼できる家事の種類や範囲、作業品質のグレードなど、提供されるサービスに対する認識を依頼者側と業者側の双方で契約時に一致させておけば、トラブルを防げるようになります。また、料金に関しては、基本料金やプラン料金以外の交通費や指名料、延長料金や早朝・深夜割増料金などが発生する条件、キャンセル規定を聞いておくことが重要なポイントです。
対策② 見積書や契約書を読み込む
業者から提示された見積書や契約書を確認する際、どうしても金額ばかりに目が奪われがちです。しかし、それ以外に記載された書面の文言や日付、サービス規定や違約規定などの詳細をしっかりと読んでおかなければ、後々のトラブルにつながりかねません。また、料金の面においても「別途費用」と書かれている場合、その内容を確認してください。見積書や契約書を細部まで読み込み、疑問点や不明点があれば、理解できるまで説明を求めるようにしましょう。
対策③ 損害補償保険の加入や適用範囲を把握しておく
依頼先の業者が損害補償保険に加入しているか否か、その有無を事前に確認しておくことも、家事代行のトラブルが起きた際の対策になります。たとえば「室内の床や壁が傷つけられた」「家具や家電が破損した」「貴重品が紛失・盗難にあった」などの場合、スタッフによる過失や不慮の事故に備え、業者が損害補償保険に加入していれば、その損害について補償されるからです。ただし、その適用範囲や補償額の詳細も把握しておく必要があります。
対策④ スタッフの技術力を確認する
派遣されるスタッフの家事に対する技術力も確認してください。スタッフの技術力は、そのまま家事代行業者が提供するサービスの品質に直結します。しかし、人手不足や社内方針などを理由に、十分な技術力を持たないスタッフを派遣している業者も存在するようです。このような業者に依頼すれば、トラブルのリスクが高まってしまいます。確認方法としては、業者が設けているスタッフの採用基準や研修制度・研修期間、担当スタッフの経歴などをしっかりとヒアリングすることです。
対策⑤ 依頼内容を明確に伝える
業者やスタッフに家事の依頼内容を明確に伝えることも、家事代行のトラブルを未然に防ぐための対策となります。依頼内容を曖昧に伝えてしまえば、スタッフの作業効率が低下し「サービスに満足できない」といった不満や不信感につながるからです。このような問題を回避するためにも、家事の優先順位や詳細などを具体的に指示することを心がけましょう。要望を記載したメモなどを準備しておけば、依頼者とスタッフ双方の依頼内容に対する認識が共有できるようになります。
対策⑥ 見積り前に掃除や片付けをおこなわない
業者が依頼内容や料金の見積りをおこなうため、家に訪問する際、できるだけ室内を普段通りの状況にとどめておきましょう。これは、業者の訪問を意識し、掃除・片付け・整理整頓をしてしまえば、業者が正しい見積りを出せなくなるからです。そうなれば、提示された見積りと実際の作業時間に差異が生じ、結果的に「契約時間内に作業が終わらない」「延長料金の請求」といったトラブルに発展しかねないため、あくまでも普段通りの室内を見せるようにしましょう。
対策⑦ トライアルサービスの利用
業者に依頼する場合、最初にトライアルサービスを利用してみましょう。これは「初回お試しサービス」とも呼ばれるものであり、正式契約と同様の家事代行を試すことができるプランです。このトライアルサービスを通し、業者の対応、スタッフの品質、業務内容と金額のバランスなどを見極めれば、大半のトラブルを未然に防ぐことができます。おすすめの対策は、複数社のトライアルサービスを利用し、各業者のサービスを徹底的に比較することです。
対策⑧ 貴重品の保管
家事代行を依頼した際、物品の紛失や盗難も気がかりな点になります。そこで、現金やカード類、貴金属や個人情報が記載されたデータなどの貴重品は、スタッフの目や手の届かない場所に保管しておきましょう。家に金庫があれば、そこに保管することをおすすめします。移動が難しい家具や家電、絵画や骨とう品などがある場合は、あらかじめ「触れてほしくない物」「入ってはいけない部屋」など、具体的に指示しておくことです。
対策⑨ 作業前の状態を写真撮影しておく
スタッフが家事代行にとりかかる作業前の状態を写真に撮っておきましょう。家事代行の依頼後、万が一室内や物品の破損、紛失、盗難といったトラブルが発覚しても、状況証拠として業者に提示することができます。特に、こまごまとした物を設置している棚、テーブル、クローゼットなどは、必ず写真撮影しておくべきです。
対策⑩ 防犯カメラの設置
写真同様、映像も万が一の際に動かぬ状況証拠となります。そのため、室内に防犯カメラを設置し、家事代行のトラブルを防ぐ対策として講じましょう。近年の防犯カメラは、スマホを通じて遠隔からでも室内の様子を伺うことができるため、スタッフの作業をリアルタイムで確認可能です。また、防犯カメラの存在は、紛失の防止や盗難の抑止力にもなります。ただし、監視カメラの設置を業者や担当スタッフへ伝え、撮影の同意を得ることも必要です。
トラブルを発生させないための業者の選び方
家事代行業者を探す場合、提供するサービスの品質がポイントになります。サービスの品質が高い業者ほど、信頼度が高くなるため、トラブルを回避することができるからです。それでは、どのような点に注意して業者を見極めるべきなのでしょうか?ここからは、トラブルを発生させないために重要な業者の選び方を解説します。
選び方① 業者の実績
家事代行を依頼する業者を選ぶ場合、目安となる基準が業者の実績です。ここでいう実績とは、家事代行の営業年数や契約本数など、会社の設立から現在に至るまで過去に挙げた実際の業績になります。営業年数が長い、契約本数が多いほど、家事代行における専門的知識や技術、経験を持っている可能性が高いため、トラブルを起こさない業者としての信頼度が高いといえるでしょう。また、信頼できる業者ほど、自社のホームページに会社概要や営業実績を明記しているため、その内容を確認することができます。
選び方② 明瞭な料金設定
家事代行業者の良し悪しを見極めるとき、料金設定の分かりやすさもポイントになってきます。公式サイトをチェックし、スタッフ1名につき1時間当たりの基本料金をはじめ、最低依頼時間、交通費、指名料、鍵の預かり費用、延長料金などが明瞭に確認できるようであれば、信頼できる業者の証といえるでしょう。また、キャンセル料金、その他のオプション料金も必ずチェックしてください。料金規定が曖昧に表記されている業者は、トラブルの可能性が高くなるため、十分な注意が必要です。
選び方③ サービス内容
自分が要望する家事を引き受けてくれるか否か、この点を事前に確認しておくことも、家事代行業者を選ぶ際のポイントに挙げられます。これは、掃除・洗濯・料理の専門、単身者や高齢者専門、庭の手入れ・買い物・子どもやペットの世話にいたるまでオールマイティに対応可能など、さまざまな事業形態の業者が存在するからです。家事代行に対する自分のニーズを明確にしておけば、業者選びでの失敗やトラブルを避けられるようになります。
選び方④ スタッフの雇用システム
家事代行業者におけるスタッフの雇用システムは「マッチング型」と「派遣型」の2種類に分かれます。マッチング型は、フリーランスの家事代行スタッフと依頼者を仲介し、個人間で契約を結ぶシステムです。料金設定が比較的安価である半面、サービスの品質に統一性がない、損害補償保険に未加入のケースが多いなどのリスクが否めません。一方の派遣型は、専属スタッフを雇用している業者と依頼主との間で契約を結ぶシステムになります。サービスの品質が一定に保たれている、業者の大半が損害補償保険に加入しているなどが大きなメリットなのですが、マッチング型よりも料金設定が割高です。マッチング型と派遣型、それぞれの特徴を理解し、予算・安全面・サービスの品質などを考慮したうえで、業者を選ぶようにしましょう。
選び方⑤ スタッフの研修・教育制度
サービスの品質が高い業者ほど、スタッフの研修や教育制度が充実しています。これは、スタッフの技術力が提供するサービスの品質に現れるためです。また、研修や教育制度を徹底している業者ならば、スタッフの接客態度や礼儀、マナーなども重んじていることから、作業中の会話などで依頼者が不快な思いをすることもありません。この点を踏まえ、家事代行におけるトラブルを回避するためには、スタッフの研修や教育制度が整っているか否かを確認することをおすすめします。
選び方⑥ 損害賠償保険の加入
家事代行を利用する際、室内や物品の破損・紛失・盗難などは、少なからず起こりうるリスクに挙げられます。そのため、万が一のトラブルが発生した場合、弁済・弁償が可能な損害賠償保険に加入している業者を選ぶようにしましょう。また、加入している損害賠償保険によっては、補償内容が異なるため、補償上限金額や適用範囲も確認しておくことです。
選び方⑦ 業者の評判
家事代行サービスを実際に利用した依頼者の評判も、業者を選ぶときの重要なポイントです。料金設定、サービスの品質、スタッフの対応など、家事代行を利用する前に気になる点をリアルな声で知ることができます。多くの業者は、自社の公式サイトに利用者の評価を掲載しているため、しっかりとチェックしてください。ただし、公式サイトで公開された利用者の声は、その大半が良い評価です。あくまでも参考程度の情報として捉えるようにしましょう。
家事代行を上手く利用する秘訣は業者の選び方
近年急増している家事代行は、単身者や高齢者をはじめ、家事が苦手な人、身体的・時間的に家事をおこなうことが難しい人にとっては、非常に便利なサービスです。しかし、他人を家に入れる特性上、室内や物品、貴重品などの破損・紛失・盗難といったリスクも考えられます。このようなトラブルを回避するためには、利用時に対策を講じておくことや、業者選びを慎重に検討することが重要なポイントです。万が一トラブルが発生した場合、スタッフ個人との直接的なやり取りを避け、あくまでも契約先の業者へ連絡を入れるように心がけましょう。
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